明星研究会について

明星研究会は2007年春に結成されました。

詩人・与謝野鉄幹によって明治33年(1900年)に創刊された文学美術総合誌「明星」。そこから羽ばたいた与謝野晶子、石川啄木、北原白秋らが、近代文学の一翼を担い活躍したことは誰もが知るところです。また「明星」は文学と美術を融合させた新しい雑誌スタイルを創出し、アール・ヌーヴォーの影響を受けた表紙や挿画によって読者を魅了するとともに、翻訳詩や翻訳小説を掲載するなど、西欧文化を積極的に紹介しました。

雑誌「明星」と、ここを母胎に育った多くの文学者たち、ジャンルを超越した交流、与謝野夫妻に協力を惜しまなかった各界の人々・・。それはさながら近代の文化的縮図を描いていたといってよいものでしょう。

そのような「明星」を研究することは、変貌甚だしい現代とそこに生成する文化を新たな視点から見直すことにもなるのではないか。私たちはそのように考えました。

2007年11月23日に開催しました、講演&シンポジウム「いま『明星』を考える」(at毎日ホール)は、上記のような私たちの問い掛けをおこなったもので、130名を越える参会者を得ることができました。

                   文責:松平盟子